Article【初産婦必見】陣痛中の出血は正常?病院へ連絡するタイミングを解説
未分類 2024.11.21
出産が近づき出血すると「この出血は正常なのか」「どのタイミングで病院に行くべきか」など、不安や緊張を抱く産婦さんもいるでしょう。
お産の前に起こる出血は、多くのケースがおしるしと呼ばれる分娩兆候ですが、なかには注意しなければならない状態もあります。そのため、正しい知識を身に付けておくことが重要です。
この記事では、陣痛と出血の関係を解説します。おしるしの特徴や病院へ連絡が必要なタイミング、緊急性の高い症状などを具体的に示しますので、出産準備の不安解消に役立ててください。
陣痛と出血はおしるしの可能性が高い
陣痛が始まる前に見られる出血には、おしるしがあります。おしるしは、赤ちゃんを包む卵膜の一部が剥がれ落ちることによって起こる出血で、その特徴は以下のとおりです。
特徴 | 詳細 |
色 | ピンク色、鮮血のように真っ赤、 茶褐色など、個人差あり |
形状 | おりものに血が混じったようなもの、 トイレで拭くと付く程度など、個人差あり |
性質 | 子宮頸管を通って排出されるため、 途中で粘膜と混ざって粘性をもつことが多い |
出血量 | 基本的に少量 |
おしるしは、お産の準備として、子宮の入り口がやわらかくなってきているために起こります。ただし、おしるしがあったからといって、すぐに陣痛が来るわけではありません。
おしるしがないまま出産する産婦さんもいれば、赤ちゃんが生まれるまでに数回見られる産婦さんもいます。
陣痛時の異常出血との見分け方
陣痛時の出血はおしるしだけではなく、異常時にも起こりえます。陣痛時に以下のような出血があったときは、すぐにかかりつけ医への連絡が必要です。
- 血の塊
- サラサラした出血
- 生理の多いときのような出血
- パットからあふれるくらいの出血
このような出血に加え、陣痛と違い持続する痛みがあった場合は、常位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)を起こしている可能性があります。
常位胎盤早期剝離とは、出産前にもかかわらず、胎盤が突然はがれ落ちる状態のことです。母子ともに危険な状態になるため、すぐに医療機関を受診しなければなりません。
常位胎盤早期剥離のリスク因子としては、母体の高血圧や妊娠高血圧症候群・前期破水・喫煙などが挙げられますが、はっきりした原因は判明していません。およそ100~200回の分娩に1例程度の頻度で起こるとされています。
また、胎盤が子宮口を覆う前置胎盤(ぜんちたいばん)の状態で出血した場合も、母体と胎児の命が危険な状態になる可能性があるため、すぐに医療機関に行く必要があります。
明らかに多量の出血があったり、出血が止まらなかったりする場合には、看護師や医師に迷わず相談してください。
陣痛と出血以外の出産が近づくサイン
陣痛や出血以外にも、出産が近づいてきたサインを把握しておきましょう。注意深く観察しておくと、医療機関に適切なタイミングで連絡を取れるうえ、心の準備もできます。
出産が近づくサインを2つ解説します。
破水
破水は、赤ちゃんの頭と子宮の内圧に押されて、赤ちゃんが入っている卵膜という袋が破れ、羊水が出てきてしまう状態です。大量の羊水が一度に出ることもあれば、尿漏れのように少しずつ出ることもあります。
続けてその状態を感じるときは、破水の可能性が高いでしょう。
破水が起こると、24時間以内に陣痛が始まるとされています。そのため、速やかに医療機関に連絡し、入院の荷物を持って向かってください。
破水後はばい菌が入りやすい状態になるため、入浴は避け、清潔なパットを当てて準備します。
後期つわりの落ち着き
なかには、陣痛が来る前に後期つわりの吐き気が治まったという産婦さんもいます。後期つわりは大きく膨らんだ子宮に胃が押し上げられているために起こるといわれています。
出産が近づくと落ち着くのは、赤ちゃんの頭が骨盤内に下り、子宮底の位置が下がったためと考えられるでしょう。
ただし、後期つわりの落ち着きだけでは、すぐに出産が始まるとはいえません。サインの一つとして覚えておいてください。
陣痛中の出血で病院に行くべきタイミング
陣痛とともに出血が起きた場合、病院に行くべきタイミングは陣痛間隔や出血の状態、そのほかの症状によっても異なります。それぞれの目安を紹介するので、内容を踏まえて、不安なときはかかりつけ医に相談してください。
陣痛の間隔による判断
陣痛が来たと思ったときは、まずは落ち着いて間隔を測りましょう。一般的に、病院に連絡する目安は以下のとおりです。
- 初産婦:5~10分間隔で規則的な陣痛が来たとき
- 経産婦:10~15分間隔で規則的な陣痛が来たとき
病院に連絡する目安は、妊娠経過や病院までの距離などによっても異なります。また、陣痛の強さは、生理痛のような軽い痛みから我慢できないほどの強い痛みまで、感じ方に個人差があります。
不安な場合は、無理せず医療機関に相談してください。
出血の量や性状による判断
陣痛中の出血は、量や性状によって緊急度が変わります。
量・性状 | 緊急度 |
少量の鮮血 | 経過観察で問題ないことが多い |
生理2日目以上の大量の鮮血 | すぐに医療機関に連絡 |
レバー状の塊が出る、黒いドロッとした出血 | 緊急性を要する可能性あり、すぐに医療機関に連絡 |
出血の量が多い、または性状に異常が見られる場合は、ためらわずに医療機関に連絡し、医師や看護師に状況を伝え、適切な指示を仰いでください。陣痛中の出血は、量や性状も人それぞれです。不安な場合は自己判断せず、必ず医療機関に相談しましょう。
そのほかの緊急性を要する症状
陣痛中の出血には、緊急性の高い症状を伴うケースがあります。これらの症状が現れた場合は、一刻も早く医療機関に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。
以下は緊急性を要する症状の例です。
- 大量の鮮血
- 強い腹痛
- 38度以上の高熱
- 胎動の減少
- 意識がもうろうとする
- 破水
これらの症状は、母体や胎児の命に関わる危険性もはらんでいます。自己判断せず、少しでも異変を感じたら、ためらわずに医師や看護師に伝えましょう。
陣痛と出血への対処法2選
陣痛が始まったり、出血が起きたりすると、不安を感じる産婦さんも少なくありません。落ち着いて対処できると、緊張感の緩和にもつながり、出産に臨みやすくなります。
陣痛と出血への対処法を3つ紹介するので、ぜひ役立ててください。
1.自分でできる対処法
陣痛とともに出血したときには、まずは落ち着いて行動することが大切です。慌てずに以下の手順で対処しましょう。
- 清潔なナプキンやお産用パッドを当てる
- 出血量と色、状態を観察する
- いつ陣痛や破水が来ても良いように、入院準備と移動手段を確認する
- 不安な場合は、ためらわずに医療機関に連絡
おしるしは少量のケースが多いものの、ナプキンがすぐに汚れてしまうほどの量が出たり、鮮血が続いたりする場合は、かかりつけ医への報告が必要です。強い腹痛や高熱が出た場合にも、すぐに連絡してください。
出血の色や量、状態は、のちほど医療機関に伝える際にも役立つ情報となります。落ち着いてメモなどを取るようにしましょう。
2.パートナーや家族のサポート方法
パートナーや家族がサポートすることは、陣痛が始まった産婦さんが安心して出産に臨むために重要な役割です。パートナーや家族ができるサポートの例は、以下のとおりです。
- 陣痛の記録:陣痛の間隔や時間を記録する
- 出血時のサポート:出血量や状態を確認し、メモしておく
- 精神的な支え:励ましの言葉をかける、そばにいる
- 肉体的なサポート:マッサージをする、陣痛時に腰をさする
- 入院準備:荷物の最終チェックをして、いつでも持ち出せるようにしておく
陣痛が始まったり、出血が起きたりすると、産婦さんは不安な状態になります。その分、パートナーや家族ができることをサポートすると、不安や緊張がやわらぎ、お産に集中しやすくなります。
産婦さんへのケアをおこないつつ、いつでも医療機関に行けるよう環境を整えておきましょう。
まとめ
陣痛時の出血は、おしるしなのか異常なのかを判断することが大切です。出血があった場合、まずは慌てずに以下3つのポイントを確認してください。
- 陣痛が指示された間隔より短くなってきたか
- 生理2日目以上の出血量になっていないか、もしくは血の塊が出ていないか
- 胎動の減少や激しい腹痛、発熱といった症状はないか
これらの症状が見られる場合は、ためらわずに病院へ連絡する必要があります。医師や看護師に状況を伝えることで、適切な指示をもらえます。
初めての出産は不安が大きくなりますが、安心・安全に迎えられるよう、正しい知識を身に付けて早めの行動を取れるようにしていきましょう。