Article陣痛の痛みの逃し方は?効果的な対処法5選と無痛分娩についても解説
未分類 2024.11.21
陣痛の痛みに不安を感じる妊婦さんも多いでしょう。痛みの逃し方には、呼吸法やマッサージのほか、楽な姿勢を取ったり、体を温めたりする方法があります。
この記事では、陣痛の痛みの逃し方5選と、いきみ逃しにおすすめの方法を紹介します。痛みへの不安が強い妊婦さんには、無痛分娩という選択肢もあります。
無痛分娩についても解説するので、出産前の不安軽減に役立ててください。
陣痛中の痛みの逃し方1|呼吸法
陣痛で起こる痛みの逃し方として、呼吸法は有効な手段の一つです。陣痛に効果的とされる呼吸法には、ラマーズ法とソフロロジー法があります。
それぞれの呼吸法を詳しく紹介します。
ラマーズ法
ラマーズ法は、子宮収縮を痛みではなく、呼吸反射に切り替えて陣痛の痛みを逃す方法です。
基本的には、常にリラックスできるよう、5~6秒に1回のゆっくりした呼吸を繰り返します。そして、分娩の進行に合わせて、以下のように呼吸法を変えていきます。
分娩の 進行度合い |
呼吸法 |
痛みが強くなり、子宮口が3~5cm開大 | 「ヒー」と短く息を吸って「フー」と長く息を吐く |
痛みがさらに強くなる | 「ヒッ」と2回息を吸ったあとに「フー」と長めに息を吐く |
いきみたくなる | 「フー」と息を吐ききってから「ウン」といきみを逃す。
または「フー」と息を吐ききってから「ウン」と肛門のほうに瞬間的にいきむ。 |
赤ちゃんが見えてくる | 深くゆっくりと呼吸する |
出産までの間に呼吸法を何度も練習しておくと、陣痛が始まってからも落ち着いておこなえるでしょう。
ソフロロジー法
ソフロロジー法は、ヨガと座禅をベースにしてリラクゼーションを図る呼吸法です。リラックスすることで陣痛の痛みを逃し、状況により生じる不安も軽減できるとされています。
ソフロロジー法では、おもに以下の3点をおこないます。
- お産のイメージトレーニング
- 呼吸法
- エクササイズ
ソフロロジー法では、痛みを「母性を育むもの」「赤ちゃんが生まれてくるために必要なエネルギー」「母子の共同作業」と捉えます。痛みを切り替えるスイッチとしてこのように捉えると、母子の絆が深まり、出産に対してポジティブなイメージがもてるようになるでしょう。
呼吸法は、以下のようにおこないます。
分娩の 進行度合い |
呼吸法 |
陣痛時 | 長くロウソクを吹き消すように「フー」と息を吐き、痛みの波が去ったら全身の力を抜く |
子宮口が全開 | 痛みの波に合わせてゆっくり息を吐き、少しいきむ |
赤ちゃんの頭が見えてくる | 再度ロウソクを吹き消すように「フー」とゆっくり息を吐く |
エクササイズ法は多岐に渡るため、母親学級に参加したり出産予定の医療機関に相談したりして、具体的な方法を聞き、実践するのがおすすめです。妊娠中からイメージトレーニングや呼吸法、エクササイズを繰り返し、リラックスした状態を身に付けておきましょう。
陣痛中の痛みの逃し方2|マッサージやツボ押し
陣痛中の痛みの逃し方として、マッサージやツボ押しがあります。
特に、腰や骨盤の中心にある仙骨周辺は、陣痛の痛みを感じやすい部位です。妊娠中から、パートナーに伝えておくとよいでしょう。
具体的なマッサージ方法やツボの場所を紹介します。
腰のマッサージ
陣痛の痛みの逃し方では、腰周辺をマッサージしてもらうのも効果的です。パートナーが立ち会いする場合には、以下の方法を伝えておきましょう。
分娩の 進行度合い |
マッサージ法 |
前駆陣痛~3分間隔 | 上から下へ円を描く、または直線で腰全体をさする |
陣痛2~3分間隔 | 仙骨(骨盤の真ん中)の辺りを、円を描くようにさする |
陣痛1~2分間隔以降 | 手のひらでお尻を包み込むように下から押す |
ポイントは、手のひらの下側部分を使うことです。少し強めに押しても問題ありません。
指圧のほうが気持ち良いと感じる場合は、背骨の両側を、息を吐いているときに押してもらってください。気持ちが良いと感じる場所は変わるため、その都度パートナーに伝える必要があります。
分娩に効くといわれるツボ
分娩に効くといわれるツボを押すことも、陣痛の痛みの逃し方の一つです。分娩に効くといわれるツボには、以下のような場所があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上
- 太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の骨が交わる部分のくぼみ
- 次髎(じりょう):仙骨の左右にある上から2番目のくぼみ
ツボは強く押しすぎず気持ち良い程度で、息を吐きながら3秒かけて押し、3秒かけて離すようにしてください。
陣痛中の痛みの逃し方3|楽な姿勢
陣痛中の痛みは、楽な姿勢をとることで逃しやすくなります。いくつか試し、ご自身に合った楽な姿勢を見つけましょう。
たとえば、以下のような姿勢をとると、楽になる産婦さんもいます。
- 横向き
- 四つん這い
- 前傾姿勢
前傾姿勢は、バランスボールなどにもたれかかると、とりやすくなります。
これらの姿勢は一例です。医師や看護師の指示に従いながら、無理のない範囲で試してください。
陣痛中の痛みの逃し方4|体を温める
陣痛の痛みをやわらげる方法として、体を温めるのも効果的です。体を温めると血行が促進され、筋肉の緊張がやわらぐ効果が期待できます。
リラックスにより、痛みの軽減につながるでしょう。体を温める具体的な方法には、以下のようなものがあります。
- 入浴やシャワー(破水時は不可)
- カイロやホットパック
- 足湯
- 温かい飲み物
カイロやホットパックは、腰やお腹など、痛みを感じる部位に当てましょう。足湯はリラックス効果も期待できます。どのような方法を取り入れられるかは、医療機関に確認してください。
陣痛中の痛みの逃し方5|不安の軽減
陣痛の痛みを逃すうえでは、不安の軽減も重要です。不安は体の緊張を招き、痛みをより強く感じさせてしまいます。
不安を軽減するために、以下の方法を取り入れましょう。
- 十分な情報収集:妊婦教室への参加、医師や助産師への相談など
- リラックス法の習得:呼吸法、イメージトレーニングなど
- 快適な環境づくり:音楽、アロマオイル、照明など
- サポート体制の確立:パートナーや家族の立ち会い、助産師や看護師とのコミュニケーション
このような方法を組み合わせると、陣痛中の不安が軽減でき、痛みの感じ方に良い影響をもたらす可能性があります。
陣痛中のいきみたい痛みの逃し方|テニスボールで肛門付近を押す
いきみの逃し方には、テニスボールを使用する方法があります。医療機関によっては用意されている場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
おすすめは、適度な硬さと大きさの硬式のテニスボールです。ゴルフボールや野球の硬式ボールなどでも代用はできますが、硬すぎるとお尻の骨や筋肉などを痛めてしまう可能性があります。
押す場所は肛門周辺が良いとされていますが、個人によって体型や痛みの感じ方は異なり、さらに陣痛の間隔や強さは刻々と変化していくため、最適な場所や圧力を合わせていくことが大切です。押す場所は、肛門から尾てい骨にかけての範囲で左右に少しずつずらしながら探してみてください。
力加減は、最初は軽く押し、徐々に力を入れていきます。心地良い圧力を探りながら、陣痛の強さに合わせて押す力を変えるのがおすすめです。
陣痛の痛みへの不安が強い場合は無痛分娩がおすすめ
出産時の痛みに強い不安を感じている場合には、無痛分娩という選択肢もあります。
無痛分娩は、麻酔を使用して陣痛の痛みを3分の1程度にやわらげられる方法です。完全に無痛になるわけではありませんが、通常の分娩と比べて痛みを大幅に軽減できます。
無痛分娩で使用される麻酔方法は、硬膜外麻酔がもっとも一般的で、脊髄くも膜下麻酔を併用する場合もあります。どちらも困難な場合には、点滴による麻酔薬を使用するケースもあるでしょう。
無痛分娩のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・痛みの軽減と安心感につながる
・体力が温存され産後の回復がスムーズになる ・精神的な余裕が出て出産時の感動が増える |
・麻酔による副作用が出る可能性がある
・分娩時間が長くなる可能性がある ・麻酔効果が間に合わない可能性がある |
無痛分娩は、痛みの程度や効き目、副作用の出現など個人差があります。また、身体状況や持病によっては選択できない場合もあります。
そのため、検討する際は麻酔の種類や効果、リスクについて十分に理解したうえで、事前に医師と相談して自分に適しているか確認することが大切です。麻酔科専門医が常駐している医療機関を選ぶと、安心しやすいでしょう。
まとめ
陣痛の痛みの逃し方には、呼吸法やマッサージ・ツボ押し、楽な姿勢など、さまざまな方法があります。もっとも効果的な方法は個人によって異なるため、それぞれの対処法を把握しておき、試してみましょう。
より安心して出産に臨むために、不安を1人で抱えず、検診の際に具体的な方法を看護師に確認してみるのもおすすめです。
痛みへの不安が強い場合は、無痛分娩も選択肢の一つです。無痛分娩を検討する際には、医師と相談し、十分な情報を得たうえで判断してください。