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Article妊娠初期にやってはいけないこと5選|控えたい、やっておきたいことも解説

未分類 2024.11.21

妊娠初期にやってはいけないこと5選|控えたい、やっておきたいことも解説

妊娠が判明した喜びと同時に、自分の行動が原因で何か問題が起きてしまわないかと不安になる妊婦さんは多くいます。妊娠初期は不安定な時期であり、リスクとなる行動は極力控えたほうが理想的です。

この記事では、妊娠初期にやってはいけないことと控えたほうがよいもの、反対にやっておきたいことを解説します。安心して過ごせるよう、正しい知識を身に付けておきましょう。

妊娠初期にやってはいけないこと5選

妊娠初期にやってはいけないこととして、飲酒や喫煙、激しい運動、無理な体勢、自己判断での服薬などがあげられます。

妊娠初期は、赤ちゃんが成長していくための重要な器官が作られる大切な時期です。この時期にやってはいけないことを繰り返しおこなうと、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、妊娠初期にやってはいけないことを5つ紹介します。

1.飲酒

妊娠初期の飲酒は、胎児性アルコール症候群(FAS)のリスクを高めるため、やってはいけないこととされています。FASは赤ちゃんの脳や体の発達に影響を及ぼし、低身長・顔面奇形・学習障害・行動障害などを引き起こす可能性があります。

日本産婦人科医会でも「これ以下の飲酒量であれば胎児に影響がない」という安全量は確立されていません。妊娠に気づいた段階で、アルコールは控えるようにしましょう。

2.喫煙

たばこに含まれる有害物質は、赤ちゃんに悪影響を及ぼすため、喫煙は妊娠初期にやってはいけないことの一つです。

特に、煙に含まれるニコチンや一酸化炭素、シアン化合物、鉛などは、胎児毒性(赤ちゃんへの悪影響)とともに血管を収縮する作用をもちます。喫煙により、以下のようなリスクが生じるでしょう。

  • 流産や早産
  • 前置胎盤(ぜんちたいばん:子宮口に胎盤が覆う状態)
  • 子宮内胎児発育遅延(しきゅうないたいじはついくちえん:胎児発育の遅れ)
  • 常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり:赤ちゃんより先に胎盤が剥がれる状態)

胎児発育の遅れは喫煙本数に関係し、一般的に母親が喫煙していると出生時体重は約200g、ヘビースモーカーでは約450g軽くなるといわれています。また、早産率は、喫煙本数により以下のように変わります。

日本産婦人科医会|飲酒、喫煙と先天異常

引用:日本産婦人科医会|飲酒、喫煙と先天異常

妊娠初期に禁煙すると、出生時体重はほぼ正常になり、早産率も減少することがわかっています。妊娠がわかったタイミングでの禁煙が大切です。

なお、周りの人がたばこを吸って、その煙を吸い込む間接喫煙も、1日約1~5本の喫煙と同等の影響があるといわれています。パートナーや家族が吸っている場合にも注意が必要です。

3.激しい運動

妊娠初期は、お腹の中で赤ちゃんが成長していく大切な時期であり、激しい運動もやってはいけないことです。この時期に激しい運動をおこなうと、心拍数が上がり、お腹の赤ちゃんに負担がかかってしまいます。

また、お腹が圧迫されたり、転倒したりする可能性がある運動も、お腹の張りにつながる可能性があり、避ける必要があります。とはいえ、日常動作であれば問題ないため、過度に動かないようにする必要はありません。

4.無理な体勢

妊娠初期でやってはいけないことに、血流の滞りや腰痛を引き起こす原因となる無理な姿勢もあげられます。特に、以下のような体勢には注意が必要です。

  • 中腰
  • うつぶせ
  • 座ったままでの前かがみ
  • 長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし

また、下腹部に力が入るような、重いものを持ち上げる動作も避けなければなりません。どうしても持ち上げなければならないときには、荷物を減らしたり、しゃがんで持ち上げたりなどの工夫が必要です。

5.自己判断での服薬

妊娠初期の服薬は、自己判断でやってはいけないことです。妊娠初期は、赤ちゃんの器官形成がもっとも活発におこなわれる大切な時期であり、服薬により影響を及ぼす可能性があります。

妊娠中に避けてほしい薬や、慎重に考えたい薬の例は、以下のとおりです。

日本産婦人科医会|妊婦の薬物服用

引用:日本産婦人科医会|妊婦の薬物服用

持病のために服用している薬がある場合には、自己判断での中断が、かえって赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。必ず担当医に相談のうえ、調整が必要です。

これ以外に、妊娠初期で風邪薬や頭痛薬など、普段服用している薬を飲みたい場合にも、必ず医師に相談してください。とはいえ、妊娠と気づかずに服用してしまった場合でも、一時的であれば多くは赤ちゃんへの影響はあまり心配ないとされています。

妊娠初期に控えたほうがよいもの2選

妊娠初期に控えたほうがよいものとしては、生ものやカフェインがあげられます。控えたほうがよいとされる理由をそれぞれ解説します。

1.生もの

生ものは食中毒のリスクがあるため、妊娠初期から控えたほうがよいものとされています。食中毒を引き起こすと、下痢や嘔吐により母体が脱水となりやすく、重篤な場合には流産や早産につながってしまう恐れがあります。

注意が必要な生ものとその感染リスクは、以下のとおりです。

妊娠初期に
避けたい生もの
感染リスク
・腸炎ビブリオ

・サルモネラ

・病原性大腸菌

・ノロウイルスなど

・腸管出血性大腸菌

・カンピロバクター

・サルモネラ

・リステリア

・E型肝炎ウイルス

・トキソプラズマなど

牡蠣 ノロウイルス

特に、トキソプラズマ症とリステリア症には注意しなければなりません。トキソプラズマ症は妊娠初期の感染で症状が重症化しやすく、赤ちゃんへの影響が出てしまいます。

リステリア症は妊娠していない健康女性の約20倍の感染リスクがあるとされ、少量でも発症し、母体は敗血症や髄膜炎など重篤な状態になることがあります。胎盤を通して、赤ちゃんにも感染してしまう恐れがあるでしょう。

加熱殺菌されていないナチュラルチーズや肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどにも注意が必要です。

2.カフェイン

妊娠中のカフェイン摂取は、控えめな量が推奨されています。厚生労働省によると、世界保健機関(WHO)では、カフェインの赤ちゃんへの影響についてはまだ確定していないものの、妊婦さんはコーヒーの摂取量を1日3~4杯までにすべきとしています。

また、英国食品基準庁(FSA)では、妊婦さんがカフェインを摂り過ぎると、赤ちゃんが小さくなりやすく、将来の健康リスクが高くなる可能性があると公表しました。1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。

妊娠初期にやっておきたいこと3選

妊娠初期には、反対にやっておきたいこともあります。ここでは、3つの心がけたいことを解説します。

1.栄養バランスの取れた食事をとる

妊娠初期は赤ちゃんの重要な器官が形成される時期であり、無理のない範囲で栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。つわりの程度に合わせながら、食べられそうなときに以下の栄養素を摂取しましょう。

栄養素 食品例
たんぱく質 肉、魚、卵、
大豆製品など
葉酸 緑黄色野菜、
大豆製品、
海藻類など
鉄分 魚介類、大豆製品、
緑黄色野菜など
カルシウム
ビタミンD
乳製品、大豆製品、
小魚類、海藻類など
食物繊維 野菜類、果物類、
きのこ類、海藻類など

たんぱく質は赤ちゃんの細胞を作るために重要な栄養素で、葉酸は神経管閉鎖障害(脳・脊椎・脊髄に生じる先天異常の一つ)のリスクを低減させる栄養素です。貧血予防のために鉄分、赤ちゃんの骨や歯の形成のためにカルシウムを摂取することも必要になります。

とはいえ、つわりがひどい場合は、少量ずつ頻繁に食事をとるなど、自分の体調に合わせた食事の工夫も必要です。

2.ゆったり過ごす

妊娠初期は体調の変化が大きいため、できるだけゆったり過ごしておきたい時期です。以下を参考に、快適な空間を整え、リラックスできるようにしましょう。

  • いつでも横になれるスペースを作る
  • 適切な温度や湿度を保つ(夏場:25~28℃/50~60%、冬場:18~25℃/40~50%)
  • リラックス効果のある香りを取り入れる
  • 間接照明や調光機能付きの照明で、やわらかな光環境にする
  • 静かな環境を整える

つわりがひどい場合は、軽減が図れるアロマ精油を活用するのも効果的です。おすすめの香りは、スッキリとしたグレープフルーツやレモン、ペパーミント、ライムなどです。

心身ともに不安定になりやすい妊娠初期には、自分に合った方法を見つけ、ゆったりと過ごせる空間づくりを心がけてください。

3.定期的に妊婦健診を受ける

妊娠初期からの定期的な妊婦健診の受診は、妊婦さんと赤ちゃんの健康を守るために重要です。

妊娠初期の健診頻度は一般的に4週間に1回程度ですが、個人の状況によって変わることもあります。医師の指示に従って、必ず決められた回数の健診を受けましょう。

また、妊婦健診は、妊娠に関する不安や疑問を相談できる大切な機会です。些細な内容でも気になることがあれば、不安軽減のために、遠慮せずに医師や助産師に相談してください。

まとめ

妊娠初期にやってはいけないことには、飲酒や喫煙、激しい運動、無理な体勢、自己判断での服薬などがあげられます。加えて、生ものやカフェインの摂取も控えたほうがよいでしょう。

妊娠初期は体調の変化も大きいため、無理をせず自分のペースで過ごすことが大切です。不安なことがあれば、遠慮なく医師や助産師に相談してください。

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