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Article妊婦中におしりが痛い、歩けないのは坐骨神経痛?原因と対処法を解説

未分類 2024.11.21

妊婦中におしりが痛い、歩けないのは坐骨神経痛?原因と対処法を解説

妊娠中におしりが痛くなって歩けなくなる場合、その原因の一つに考えられるのが坐骨神経痛です。妊娠にともなう体の変化によって引き起こされるこの症状に、悩む妊婦さんもいるでしょう。

この記事では、妊娠中におこる坐骨神経痛の原因や症状、そして歩けないほどの痛みが出た場合への対処法を詳しく解説します。避けるべき行動についても紹介するので、快適な妊娠生活を送れるよう、ぜひ参考にしてください。

妊娠中歩けないほどおしりが痛いときは「坐骨神経痛」かも

妊娠中に腰痛だけでなく、歩けないほどおしりが痛いときには、坐骨神経痛の可能性があります。歩行ができなければ生活にも支障が出てしまうため、適切に対処しなければいけません。

まずは、坐骨神経痛の症状が当てはまるか確認し、原因を把握しましょう。

坐骨神経痛の症状

妊娠中の坐骨神経痛は、お尻から足にかけて、さまざまな不快感を引き起こします。症状は個人差がありますが、おもにおしりから太ももの後ろ、すねのほうにかけて痛みやしびれなどの症状がみられます。

症状が強いと、歩けないような状況になることもあるでしょう。特に、赤ちゃんが大きくなってくる時期になると、子宮が大きくなり神経を圧迫し、症状が出やすくなることもあります。

坐骨神経痛の原因

妊娠中に坐骨神経痛が起こるおもな原因は、はっきりとは解明されていませんが、ホルモンバランスの変化や骨盤周りの変化、姿勢の変化などが考えられます。複合的に作用することで、坐骨神経痛の発症につながりやすくなるでしょう。

それぞれの原因を解説します。

ホルモンバランスの変化

妊娠中はエストロゲンやリラキシンというホルモンの分泌量が増加します。これらのホルモンは出産準備として、骨盤周りの靭帯を緩める作用があります。

靭帯が緩むことにより骨盤関節への負担が増え、おしりが痛い、歩けないなどの症状を引き起こす可能性があるでしょう。

骨盤周りの変化

妊娠中は、赤ちゃんの成長とともに骨盤周りに以下のような変化が起こり、おしりの痛みを感じることがあります。

  • 子宮の増大による仙骨神経叢(せんこつしんけいそう)への圧迫
  • 骨盤の広がりによる梨状筋(りんじょうきん)の緊張

赤ちゃんの成長で子宮が大きくなると、骨盤・おしり・性器・太もも・ふくらはぎ・足につながる神経が集まる仙骨神経叢を圧迫してしまい、これにより坐骨神経痛を起こす可能性があります。また、骨盤が広がることで、骨盤を支える梨状筋が強く緊張し、その下を通る神経を圧迫して痛みやしびれをきたすこともあるでしょう。

姿勢の変化

妊娠中はお腹の成長にともない、体の重心が前上方に移ります。姿勢に変化がみられた結果、神経に過度な負担がかかり、おしりが痛い・歩けないなどの症状を引き起こす可能性があるでしょう。

特に、妊娠後期になるにつれ、以下のような姿勢の変化が見られます。

  • 体をうしろに倒し、骨盤を前に出すような「Sway Back姿勢」
  • 腰が大きく反った「反り腰姿勢」

これらの姿勢変化は、本来のS字カーブを描く背骨のバランスを崩し、坐骨神経痛を引き起こす原因となります。

妊娠中歩けないほどおしりが痛いときの対処法5選

妊娠中に歩けないほどおしりが痛いときには、姿勢を直したり、ストレスやマッサージをしたりする方法がおすすめです。間違った方法で対処すると、症状の悪化につながる可能性があります。

対処法を5つ紹介するので、可能な範囲で取り入れてみてください。

1.正しい姿勢

正しい姿勢を意識すると、神経の圧迫を軽減し、妊娠中の坐骨神経痛の悪化を抑えやすくなります。たとえば、座るときには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 深く腰かける
  • 両足をしっかり床につける
  • 背もたれにもたれるときには、腰を支えるクッションを入れる

お腹が大きくなってくる時期では、寝るときに、横向きで上にある足を前に出す姿勢(シムス位)をとると楽だという妊婦さんが多くいます。骨盤の位置をずらさないよう、抱き枕を使うとよいでしょう。

2.骨盤ベルトの着用

骨盤ベルトは、不安定になっている骨盤を支える方法です。固定により、おしりの痛みを軽減できる可能性があります。

適切な効果を得るためには、正しい位置に装着することが重要です。わかりやすくいうと、恥骨(アンダーヘアの辺りにある骨)からお尻の一番ふくらんでいるところにかけて装着します。

以下のポイントで、正しい位置を見つけましょう。

ベルトをかける ・恥骨結合:アンダーヘアの部分

・大転子(だいてんし):
恥骨に手を当てて体の横へ
水平に動かし、片足ずつ
上げたときに動くでっぱり

ベルトをかけない 上前腸骨棘(じょうぜん
ちょうこつきょく):
おへそから斜め45度ほど下
の部分を手のひらで触り、
1番出っ張っている骨を中指
で触る。そのときに下から
引っかかる骨

骨盤ベルトは気持ちが良いと感じる強さで装着し、締め過ぎないよう注意してください。

3.ストレッチ

適切なストレッチも、妊娠中のおしりの痛みをやわらげられる方法の一つです。激しい動きは避け、優しくおこなうことが大切です。

おしりのストレッチ方法の例は、以下のとおりです。

  1. 片足を反対側の太ももの上に乗せる
  2. 骨盤を前のほうへ倒して姿勢を保つ
  3. 姿勢を戻す
  4. これを繰り返す

ストレッチは無理のない範囲でおこないましょう。

4.ツボ押し

妊娠中に歩けないほどおしりが痛い場合には、以下のように症状緩和を図れるツボを押す方法もあります。

ツボ 場所
環跳(かんちょう) おしりに力を入れたときにできる窪み、
おしりの中央よりやや外側
承扶(しょうふ) おしりと太ももの境目にある
おしりの溝の中心
委中(いちゅう) 膝の裏にある横筋の中心

ツボを押すときには、力を入れすぎずに優しい力加減でおこないましょう。

5.専門家への相談

妊娠中に歩けないほどおしりが痛い場合には、専門家へ相談してください。適切な診断と治療を受けられると、症状の緩和や改善が期待できます。

産科の担当医に相談すると、必要に応じて整形外科医や理学療法士などにつなげることも可能です。整体を受けられるか知りたい場合にも、医師に確認してから行動しましょう。

妊娠中歩けないほどおしりが痛いときにやってはいけないこと

妊娠中歩けないほどおしりが痛いときには、避けたほうが良い行動もあります。それぞれ解説するので、これらの行動をおこなわないようにしましょう。

刺激してはいけないツボを押す

ツボには、堕胎や陣痛を促すといわれているものもあるため、出産までまだ時期がある場合は押さないように注意しましょう。たとえば、内側のくるぶしから自分の指4本分上、すねの骨よりちょっと内側にある「三陰交(さんいんこう)」や、人差し指の骨と親指の骨を手首の方向に向かって指でなぞり、2つの骨が合流した地点からやや人差し指よりに上がったところにある「合谷(ごうこく)」などがあげられます。

ツボを押すときやマッサージをするときなどは、事前に調べたうえでおこなうと安心です。

強すぎる刺激を与える

妊娠中にマッサージやストレッチをするときは、無理のない範囲でおこなわなければなりません。おしりの痛みをどうにかしようと強い力でマッサージすると、逆効果になる可能性があります。

特に、歩けないほどおしりが痛い場合には、専門医のアドバイスのもとおこなったほうがよいでしょう。

市販の湿布を自己判断で貼る

妊娠中に歩けないほどおしりが痛いときでも、自己判断で市販の湿布を貼るのは避けてください。特に、痛みによく効くとされる非ステロイド性解熱鎮痛剤(NSAIDs)は、胎児動脈管収縮など赤ちゃんへの影響が出た症例が多く、厚生労働省により妊娠後期の女性への使用が禁忌となっている薬です。

市販薬でも「ケトプロフェン」という気を付けなければならない成分が含まれている湿布があるため、自己判断で使用しないよう注意が必要です。

まとめ

妊娠中歩けないほどおしりが痛いときに考えられる原因の一つに、坐骨神経痛があります。この痛みは妊娠にともなう体の変化によって引き起こされるといわれていますが、適切な対処法を試すことで症状をやわらげられたり、悪化を防げたりするでしょう。

対処法には、正しい姿勢や骨盤ベルトの着用、ストレッチ、ツボ押し、専門家への相談などがあげられます。

反対に、刺激してはいけないツボを押したり、強すぎる刺激を与えたりするのは避けなければなりません。市販の湿布も自己判断で使わないようにしてください。

歩けないほどつらい痛みが生じた場合には、医師に相談すると、正しい診断のもと、適切な治療や他職種との連携を受けられます。妊婦健診で期間が空く場合でも、我慢せずに相談しましょう。

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