Article妊娠後期で眠れないときの対処法は?原因や赤ちゃんへの影響について解説
未分類 2025.01.18

妊娠後期になると、多くの妊婦さんが「眠れない」という悩みを抱えます。その原因には、お腹の大きさによる体勢の不快感や、ホルモンバランスの変化、出産への不安などが考えられるでしょう。
この記事では、妊娠後期に眠れない原因や対処法、睡眠不足が赤ちゃんに与える影響はあるのかについて、詳しく解説します。少しでも休息をとれるよう、ぜひ参考にしてください。
妊娠後期に眠れない原因
妊娠後期に眠れない原因は、身体的な要因やホルモンバランスの変化、精神的なストレスなど、さまざまな内容が重なって起こります。これらは妊娠中によく見られる症状であり、出産後の育児生活への準備期間という見方もできるでしょう。
妊娠後期に眠れない原因について、それぞれ解説します。
身体的な要因
妊娠中は体の状態も変化していくため、妊娠後期はその影響で眠りにくくなります。
たとえば、お腹が大きくなることで寝返りがとりにくくなったり、膀胱の圧迫によりトイレに起きやすくなったりします。活発な胎動で目が覚めてしまうといった妊婦さんもいるでしょう。
これらの身体的な要因は、特に妊娠後期になるほど顕著になり、睡眠の質に大きな影響を与える可能性があります。
ホルモンバランスの変化
妊娠中はホルモンバランスの変化から、約8割の妊婦さんが睡眠の悩みを経験するといわれています。
特に、妊娠後期は、出産に向けて女性ホルモンの分泌量が大きく変化する時期です。女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンの血中濃度は、月経時の約10倍にまで増加し、以下の影響が出てくるでしょう。
- 睡眠と覚醒のリズムが乱れやすくなる
- 鎮静作用により日中の眠気が強くなる
その結果、「眠たいのに眠れない」という状態を引き起こしやすくなります。
精神的なストレスや不安
妊娠後期になると出産が近づき、不安やストレスが強くなる傾向があります。具体的には、以下のような心配事が睡眠を妨げる要因となります。
- 陣痛や出産が不安
- 赤ちゃんの健康状態が心配
- 育児への自信がもてない
特に、初産婦さんは未知の経験への不安が大きく、夜中に目が覚めて眠れなくなることもあるでしょう。
また、ホルモンバランスの変化も精神状態に影響を与え、ささいなことで涙もろくなったり、イライラしやすくなったりします。このような精神的な不安定さも、良質な睡眠の妨げとなります。
むずむず脚症候群
妊娠後期に多く見られる症状の一つに、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)があります。これは、特に夜間において、足に不快な感覚が現れ、動かさずにはいられない状態になる症状です。
妊婦さんの約5人に1人が経験しますが、多くは妊娠中に発症しても、出産とともに症状がなくなります。症状があると入眠困難や中途覚醒の原因となり、睡眠の質が著しく低下するでしょう。
むずむず脚症候群は、ビタミンDが不足しているとなりやすいとされています。加えて、鉄や葉酸不足も影響すると考えられているため、食事などで補充できるよう心がけるのがおすすめです。
こむら返り
こむら返りは、いわゆる足がつった状態で、約7割の妊婦さんが経験するとされています。
妊娠後期はお腹が大きくなり、急激に体重が増える段階です。足の筋肉に負担がかかり下半身の血流が悪くなることで、こむら返りが生じてしまいます。
対策としては、疲れを溜めない、カルシウムをとるなどが効果的です。お風呂でマッサージをしたり、カルシウムやビタミンB1、ビタミンDを摂取したりするとよいでしょう。
妊娠後期に眠れないときの対処法
ここでは、少しでも快適な睡眠を得るための方法をいくつか紹介します。休息をとれるよう、ぜひ試してみてください。
快適な睡眠環境を整える
快適な睡眠環境づくりは、妊娠後期の不眠改善に大きな効果があります。以下のポイントを意識して環境を整えましょう。
- 寝床内の温度は33℃、湿度は50%
- 適度な硬さのマットレスの使用
- 首や肩に負担がかからない高さの枕の使用
- 吸湿性の良い素材のシーツの使用
- 遮光カーテンの使用
これらの環境づくりに加えて、寝室は睡眠に特化した空間として整えると、より良質な睡眠を得やすくなります。
楽な姿勢をとる
妊娠後期の眠れない悩みを解決する姿勢として、「シムス位」と呼ばれる体位がおすすめです。
この姿勢は、以下の3つのポイントを意識します。
- 左側を下にして横向きになる
- 上側の足(右足)を曲げる
- ややうつぶせ気味に横になる
左側を下にすると体の右側にある静脈を圧迫しないため、血流が改善され、胎児への酸素や栄養の供給がスムーズになります。
左足はまっすぐ伸ばしたまま、両足を重ねずに、ずらしてお腹への圧迫を軽減しましょう。右足を曲げるとリラックス効果が高まり、体重が分散され、腰への負担も軽減します。
この姿勢を快適に保つために、抱き枕の使用もおすすめです。抱き枕があると、右足をはさむように乗せることで安定感が増し、お腹のサポートにもなります。
また、頭を置く部分が高めの抱き枕を選ぶと、首の負担も軽減できます。どうしても眠れないときには、この姿勢で横になるだけでも休息がとりやすくなるでしょう。
適度に活動する
妊婦さんは、一週間に中等度から強度の有酸素運動(息が切れない程度の運動)を、少なくとも150分以上おこなうのがよいとされています。中等度とは、エクササイズをしながら会話はできるものの、歌うのは少しつらい程度を指します。
おすすめの運動は、以下のとおりです。
- ウォーキング
- マタニティヨガ
- ストレッチ
- スイミング
- ピラティスなど
ただし、運動を控えるべき妊婦さんもいるため、必ず医師の指示のもとでおこなってください。夕方以降の運動は逆効果になる可能性があるため、午前や昼間におこなうとよいでしょう。
生活習慣を見直す
妊娠後期の睡眠の質を改善するには、規則正しい生活リズムを整えることが重要です。以下のポイントを意識して生活習慣を見直してみましょう。
- 朝に太陽の光を浴びる
- 就寝時刻と起床時刻を一定にする
- 昼寝しすぎない
夜に眠れるようにするためには、体内時計を整えることが大切です。太陽の光を浴びると夜の睡眠の質が向上するため、朝はカーテンを開けるよう心がけましょう。
妊娠後期は日中に眠気を感じやすくなりますが、昼寝しすぎないよう注意が必要です。15時より前に、短時間でとどめるのがおすすめです。
リラックス法を取り入れる
妊娠後期に眠れないときには、以下の方法を活用して心身をリラックスさせましょう。
- 落ち着いた音楽を聴く
- アロマテラピーをおこなう
- 軽いストレッチをおこなう
- 深呼吸する
- 瞑想する
リラックス法は、自律神経のバランスを整え、安眠を促進する効果が期待できます。好みや体調に合わせて、無理のない範囲で取り入れてください。
食べ物や飲み物を考慮する
妊娠後期に眠れない場合、食べ物や飲み物を工夫する方法もあります。
食べ物では、トリプトファンを含む食品を積極的にとりましょう。トリプトファンは、食べ物からとらなければならない必須アミノ酸の一つで、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の原料となります。
おもに、以下の食品に含まれます。
- 牛乳、乳製品
- 肉
- 魚
- 大豆製品
- 卵
- バナナ
- ナッツなど
バナナヨーグルトなどは、簡単にとれるためおすすめです。
飲み物では、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶は控えましょう。ノンカフェインの温かい飲み物を活用すると、寝付きがよくなる可能性があります。
眠る前はスマートフォンの使用を控える
スマートフォンの使用は、画面から出るブルーライトや刺激的な内容によって脳が興奮して、睡眠の質が低下する原因となります。
就寝1時間前にはスマートフォンの使用をやめ、代わりに読書や音楽鑑賞など、リラックスできる活動をおこなうようにしましょう。
どうしてもスマートフォンを使用する必要がある場合は、ブルーライトカット機能付きのメガネやアプリを使用する、画面の明るさを落とす、画面から目を離して使用するなど工夫する方法もあります。
妊娠後期に眠れない場合の赤ちゃんへの影響
環境省が公表している研究「妊婦の睡眠時間と新生児の出生体重の関連」によると、適正な体重増加(概ね12kg未満)の妊婦さんが9時間以上10時間未満の睡眠時間をとると、低出生体重児(体重が少ない赤ちゃん)や子宮内胎児発育不全児(発育が不良な赤ちゃん)の出生を減らせる可能性があるそうです。
ただし、その他の睡眠時間の妊婦さんにおいては、特に違いはみられていません。妊婦さんの睡眠が及ぼす赤ちゃんへの影響については、さらなる研究が求められます。
まとめ
妊娠後期に眠れない原因は、体の変化やホルモンバランスの影響などです。不眠に悩んでいる場合は、睡眠環境を整えつつ、楽な姿勢やリラックス法などを取り入れるのがおすすめです。
悩みなどのストレスも不眠を助長する原因になります。不安がある場合は、医師や助産師に相談するのも一つの方法です。
妊娠後期は、出産に向けた体力を考える大切な時期です。十分な休息を取りながら、心と体の準備を整えていきましょう。