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Article無痛分娩のメリットが知りたい!赤ちゃんへの影響やリスク・注意点も解説

未分類 2024.11.16

無痛分娩のメリットが知りたい!赤ちゃんへの影響についてやリスク・注意点も解説

陣痛への不安が強い場合、無痛分娩は痛みを軽減できる効果的な選択肢のひとつです。とはいえ「痛みは完全になくなるのか」「赤ちゃんへの影響はあるのか」など気になる人もいるでしょう。

この記事では、無痛分娩のメリットから赤ちゃんへの影響、リスク・注意点まで、詳しく解説します。無痛分娩の正しい知識を得て、出産方法の選択に役立ててください。

無痛分娩のメリット3選

無痛分娩には、痛みの軽減のほか心理的な安心感や体力の温存など、妊婦さんにとってさまざまなメリットがあります。

ここでは、無痛分娩を選択することで得られる主な3つのメリットを詳しく解説します。これらの情報を参考に、あなたに最適な出産方法を選択してください。

1.痛みの軽減と安心感につながる

無痛分娩の最大のメリットは、出産時の痛みを軽減できることです。一般的な手術でも活用されている硬膜外麻酔の使用により、お産の痛みを3分の1程度に和らげられます。

出産時には、想像を絶する痛みがともなうため、恐怖心や不安感を抱く人も少なくありません。陣痛でかかる身体的苦痛を軽減できる無痛分娩は、安心感を得ながら出産に臨めます。

痛みへの恐怖心が強い人やリラックスして出産に臨みたい人には、おすすめの方法といえるでしょう。

2.体力が温存され産後の回復がスムーズになる

陣痛の痛みが軽減される無痛分娩では、出産時の体力消耗を抑えられ、産後の回復もスムーズになります。体力の温存により、産後に以下のメリットが得られるでしょう。

  • 早期の歩行が可能になる
  • 授乳や育児のスタートがスムーズになる
  • 産後うつのリスクが低下する可能性がある

ただし、体力の温存や産後の回復には個人差があり、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。無痛分娩を選択する際は、体の状態や過去の出産経験も踏まえ、医師とよく相談して進めることが大切です。

3.精神的な余裕により出産時の感動が増える

無痛分娩では、痛みの軽減により精神的な余裕が生まれ、出産の瞬間をより感動的に体験できる可能性があります。具体的には、以下のようなメリットがあります。

  • 赤ちゃんの誕生を意識的に感じられる
  • パートナーと会話を楽しんだり、励まし合ったりと絆が深まる
  • 出産の記憶が良い状態で残る

個人差はありますが、無痛分娩は痛みによるストレスや疲労が抑えられるため、誕生の喜びを感じる余裕が出てきます。より前向きな気持ちで育児をスタートしやすくなるでしょう。

無痛分娩の赤ちゃんへの影響

無痛分娩で使用される硬膜外麻酔は、赤ちゃんへの影響が少ないといわれる方法です。リラックスして出産に臨めるため、赤ちゃんへ酸素が行き渡りやすくなります。

日本産科麻酔学会によると、麻酔薬が胎盤を通過する量はごくわずかであり、出産後の赤ちゃんの意識状態や刺激への反応においても悪い影響は認められなかったとされています。硬膜外麻酔は点滴に比べ母乳にも移行しにくいため、赤ちゃんへの影響はさほど心配ないでしょう。

麻酔薬の量が多かった場合、生後24時間の赤ちゃんの音・光に対する反応や運動機能が、少量使ったときに比べて低くなったとの研究結果もあります。しかし、この影響は短期的なものが多く、長期的な発達への問題は確認されていません。

参照元:日本産科麻酔学会|硬膜外鎮痛を受けると赤ちゃんに影響はありませんか?硬膜外鎮痛は授乳に影響を与えますか?

無痛分娩のリスクと注意点5選

無痛分娩には母親に身体的・精神的なメリットがある一方で、麻酔薬の使用により注意しなければならない点もあります。

ここでは、無痛分娩の主なリスクと注意点を5つ解説します。これらの情報を踏まえて判断することが大切です。不安なことや不明点がある場合は、必ず担当医に相談しましょう。

1.麻酔による副作用が出る可能性がある

無痛分娩では、麻酔により副作用が生じる可能性があります。以下は、副作用の一例です。

  • 足のしびれ
  • 発熱
  • 血圧低下
  • 頭痛
  • かゆみ

これらの副作用は一時的なものが多く、適切な処置で対応可能です。しかし、まれに麻酔薬によるアレルギー反応や呼吸抑制など、重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。

リスクを最小限に抑えるためには、事前の健康診断や麻酔科医との相談が重要です。無痛分娩を検討する際は、副作用やリスクについても十分に理解したうえで、医師と相談し判断するとよいでしょう。

2.分娩時間が延長する可能性がある

無痛分娩では、麻酔の影響により陣痛が弱くなるケースがあり、その影響で分娩の進行が遅れる可能性があります。結果として、以下のような処置が必要になる場合があります。

  • 陣痛促進剤の使用
  • 鉗子分娩や吸引分娩

麻酔薬の使用は通常分娩と比べ、吸引分娩や鉗子分娩の割合が増えることがわかっています。麻酔薬は痛みを和らげるため、いきむ力も弱くなってしまいます。麻酔薬で骨盤の筋肉が緩まり、赤ちゃんの産道の通り方に影響することも要因のひとつです。

陣痛促進剤は喘息もちの人やお子さんを多く出産されてきた人など、投与に注意が必要な場合もあります。医師は持病や体の状態を踏まえて、投与が可能かを判断します。

無痛分娩が赤ちゃんに与える影響はあまりないとされていますが、不安な場合は医師に状況を聞きながらお産に向き合うとよいでしょう。

3.麻酔効果が間に合わない可能性がある

無痛分娩を希望していても、以下のような状況では麻酔効果が間に合わない場合があります。

  • 陣痛の進行が早すぎる
  • 麻酔医の到着が遅れる
  • 麻酔薬の効果が現れるまでに時間がかかる

経産婦の人は、陣痛が予想以上に早く進むケースがあります。麻酔の準備や施術が間に合わず、通常分娩となることもあるでしょう。

また、夜間や休日、ほかの人とのお産が重なった場合などは、麻酔医の到着に時間がかかることもあります。かかる時間は、麻酔の準備までは約30分~1時間、麻酔薬の投与から効果が現れるまでに約10〜30分です。

タイミングが合わない状況もありえるため、早めに来院したり、医療機関と綿密に連携したりすることが重要です。

4.無痛分娩は保険適用外

無痛分娩は健康保険の適用外となるため、全額自己負担となります。費用は医療機関によって異なりますが、相場は約15万~20万円です。

出産時にはこれに加え、通常の分娩費用がかかります。一例として、当院での加算料金なしの分娩費用は71万5,000円で、さらに産科医療補償制度の掛け金として1万2,000円が発生します。

無痛分娩にともなう通常の分娩費用や入院費用は、通常分娩と同様に出産育児一時金50万円の対象です。一部の自治体では無痛分娩の費用補助が用意されているケースもあるため、お住まいの地域で用意されている制度を確認してください。

5.計画無痛の分娩予定日は妊娠37週以降に決まる

計画無痛はあらかじめ分娩開始日を決める方法ですが、その予定日は以下の時期を目安に決めます。

  • 妊娠37週以降
  • お腹の張りが頻繁
  • 子宮の出口がやわらかい
  • 子宮口が多少開いてきた

予定を決められる計画無痛は、上のお子さんや立ち会い出産を希望している場合におすすめの出産方法です。しかし、あまりにも早い時期から日程を決めることはできません。

医師の診断により予定日を決めるため、家庭内でのスケジュール調整なども考慮しておきましょう。

入院は、計画分娩日の前日です。子宮の出口がやわらかくなっていない場合は、医療器具を挿入する処置をおこなう可能性があります。

予定日が近づいてきたら、再度流れを把握し直すと安心して出産を迎えられます。

無痛分娩を受ける医療機関の選び方

無痛分娩を安心して受けるためには、医療機関選びが重要です。以下の表を参考に、それぞれの医療機関の体制や特徴を比較検討しましょう。

選び方 チェックポイント
無痛分娩の実施体制 ・24時間365日体制

・麻酔科医の常駐

設備 ・母体・胎児の安全管理のための設備

・緊急時の対応設備

医師や助産師の経験や実績 ・医師の無痛分娩における実績

・助産師の経験や資格(新生児蘇生法など)

その他 ・費用

・アクセス

・院内の雰囲気

・母児同室の時期

医療機関により特徴や強みは異なるため、さまざまな項目を確認して納得のいく選択をしてください。

まとめ

無痛分娩とは、麻酔を使用して陣痛の痛みを和らげながら出産する方法です。主に、硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔を使用し、痛みの軽減以外にも安心感や体力の温存、産後の回復に良い影響をもたらします。

ただし、麻酔による副作用の出現や分娩時間の延長、麻酔効果が間に合わないなどの状況になる可能性もあります。無痛分娩を検討する際は、メリットやデメリットを踏まえ、医師や看護師と相談しながら判断しましょう。

医療機関から選び始める場合は、実施体制や設備・実績・費用・アクセスなど総合的に見て検討してください。

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