Article陣痛5分間隔なのに子宮口が開かない!考えられる原因と4つの対処法を解説
未分類 2024.11.21
陣痛が5分間隔になったのにまだ子宮口が開かない場合、どうすればよいのか不安になる産婦さんも多いでしょう。陣痛が強くなると少しずつお産が進み、初産婦さんでは約10~12時間、経産婦さんでは約5~6時間で子宮口が全開大(10cm程度)するといわれています。
この記事では、陣痛5分間隔なのに子宮口が開かない原因と、その対処法について詳しく解説します。安心して出産に臨めるよう、ぜひ参考にしてください。
陣痛5分間隔での子宮口の開き具合
陣痛5分間隔での子宮口の開き具合には、個人差があります。赤ちゃんが産道を通るためには、子宮口は全開大(約10cm)まで開かなければなりません。
陣痛開始から子宮口全開大までの時間と経過の目安は、以下のとおりです。
分娩 経過 |
陣痛 | 子宮口 の開き |
痛み レベル |
準備期
お産の |
8~10分間隔
20~30秒間 |
0~3cm | 生理痛ほど で普通に 会話できる |
進行期
子宮口 |
4~7分間隔
30~40秒間 |
4~7cm | 規則的な 陣痛で 痛む時間 が長くなる |
極期
子宮口 |
2~3分間隔
40~60秒間 |
8~10cm | 肛門圧迫感 でいきみ たくなる、 体に力が入る |
娩出期
赤ちゃん |
1~2分間隔
60~90秒間 |
全開大 10cm程度 |
痛みの ピーク とともに いきむ |
個人差はありますが、陣痛5分間隔のときの子宮口は、多くが4~7cm程度です。一般的に、初産婦より経産婦のほうが、子宮口が開きやすい傾向にあります。
とはいえ、子宮口の開き具合はさまざまな状況で変わるため、一概に「陣痛5分間隔でこのくらい」とは断言できません。陣痛の間隔にとらわれず、落ち着いて医師や看護師の指示に従うことが大切です。
陣痛5分間隔で子宮口が開かない原因の一例
陣痛5分間隔で子宮口が開かないときには、さまざまな原因が考えられます。たとえば、子宮の収縮が弱くなる微弱陣痛や子宮口などの伸びが悪くなる軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)、逆子や回旋異常などが挙げられます。
ここでは、この3点を解説します。
微弱陣痛
たとえ陣痛が5分間隔だとしても、収縮の強さや頻度、持続時間などが不足していると微弱陣痛となり、子宮口が開かない原因となります。微弱陣痛は、以下のような状況で起こる可能性があります。
- 母体の疲労
- 母体の肥満や体重の増えすぎ
- 巨大児(4,000g以上)
- 羊水過多症
- 多胎妊娠(双子や三つ子など)
微弱陣痛を起こす原因でもっとも多いのが、体調不良や睡眠不足、過度の緊張などによる母体の疲労です。また、母体の肥満や体重の増えすぎは、子宮まわりに余分な脂肪があることで赤ちゃんが下がりにくくなり、陣痛を引き起こす骨盤内の神経への刺激を起こしにくくしてしまいます。
赤ちゃんの大きさや羊水量など、子宮筋が過度に伸びてしまう状況も、微弱陣痛を引き起こす原因の一つです。
微弱陣痛では、母子ともに良好な状態であれば、リラックスを促しながら自然な分娩を目指せます。続く場合は、陣痛促進剤を用いるケースもあるでしょう。
軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)
軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)は、子宮頸管や膣、会陰(えいん)などの軟産道が硬く、伸びにくい状態を指し、陣痛が5分間隔になっても子宮口が開かない原因の一つです。子宮の奇形や外傷性の瘢痕、加齢による組織の柔軟性の低下などによって引き起こされるとされており、微弱陣痛や遷延分娩、分娩停止につながる可能性もあります。
症状が重くない場合は、産道がやわらかくなるのを待ちますが、陣痛が来ていて腟の軟産道強靭と診断された場合は、陣痛促進剤を使用することもあります。
どうしてもお産が進行しないときは、安全を考えて帝王切開を選択する場合もあるでしょう。医師は産婦さんや赤ちゃんの状態を踏まえて慎重に処置を検討します。
逆子(骨盤位)・回旋異常
逆子(骨盤位)や回旋異常も、陣痛が5分間隔で来ているのに子宮口が開かない原因の一つです。通常、赤ちゃんの向きは頭を下にして母体の背中を向いています。
逆子は、赤ちゃんの頭が上になっている状態であり、施設によって可能なかぎり経膣分娩での出産を選択するか、帝王切開になるかは異なります。
回旋異常は頭が下になっているものの、赤ちゃんがお母さんのお腹側に向いたり、横向きのまま降りてこようとしたりしてしまい、スムーズに降りて来られなくなっている状態です。回旋異常を起こす原因はさまざまであり、一例は以下のとおりです。
- 胎児の姿勢異常
- 巨大児(4,000g以上)や低出生体重児(2,500g未満)
- 胎児の頭部疾患(水頭症や無脳症など)
- 骨盤が狭い
- 胎盤の位置異常(低置胎盤や前置胎盤)
- 子宮筋腫
- 羊水過多症など
回旋異常が疑われる場合、医師は内診や超音波検査で胎児の位置や向きを確認し、状況によっては体位変換や吸引分娩、鉗子分娩などの処置がおこなわれます。分娩が進まない場合、最終的には帝王切開が選択されることもあるでしょう。
とはいえ、経過観察や適切な処置により経腟分娩が可能なケースもあります。
陣痛5分間隔で子宮口が開かないときに母親ができる対処法4選
陣痛5分間隔で子宮口が開かないときには、休息や食事を取ったり、体を温めてリラックスしたりするのがおすすめです。状況によっては薬剤などを使用する可能性もありますが、自然分娩を目指す場合はこれから紹介する対処法を取り入れてみましょう。
1.休息や食事をとる
体力消耗が原因で陣痛が5分間隔でも子宮口が開かない場合、休息を取り、適切な食事をとると改善する可能性があります。横になって体を休め、痛みがない間、目を閉じておくのもよいでしょう。
食事は食べられるものを少量ずつ摂取し、水分補給も忘れずにおこなってください。
2.体を温める
体を温めると、血行が良くなりリラックスしやすくなるため、子宮口の開きを助ける効果が期待できます。破水していなければ入浴も可能ですが、陣痛が5分間隔で余裕がない場合は腰を温めたり、足湯(足浴)したりするのもおすすめです。
3.リラックスする
スムーズなお産のためには、リラックスすることが大切です。陣痛が5分間隔になっているのに子宮口が開かない状況では、産婦さんがさらにストレスを感じやすくなっています。
以下の方法を取り入れてみてください。
- 深呼吸する:ゆっくりと鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出す
- アロマテラピー:ディフューザーを使用したり、希釈したオイルでマッサージしたりする
- 好きな音楽を聴く:お気に入りのリラックス音楽やヒーリングミュージックを聴く
- 軽いマッサージ:パートナーや看護師に、肩や背中を軽くマッサージしてもらう
アロマオイルは、ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のある精油を使用するのがおすすめです。また、人に触れられると、オキシトシンというホルモンが分泌されてリラックス効果が高まるため、パートナーにお願いするのも良い方法です。
4.ストレッチやスクワットをする
陣痛5分間隔でも子宮口が開かないときには、疲労が強くなければストレッチやスクワットもおすすめの方法です。足を開く動作を取り入れると、骨盤が開きやすくなったり、骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋)の伸び縮みを促しやすくなったりします。
ただし、ストレッチやスクワットができる状態かは産婦さんや赤ちゃんの状態にもよります。必ず医師や看護師の指示のもとでおこなうようにしましょう。
陣痛5分間隔で子宮口が開かないときにパートナーができること
陣痛5分間隔でも子宮口が開かないとき、パートナーにもできるサポートがあります。立ち会い出産時には看護師からの助言もありますが、余裕があるときに以下の内容をパートナーに伝えておくのもよいでしょう。
- 背中や腰、足などを優しくマッサージ
- 呼吸法の声かけなどのサポート
- 水分補給の手伝い
- 励ましの言葉かけ
- 室温や照明の調整、音楽など快適な環境を整える
- 産婦さんの状態変化を速やかに医療スタッフへ伝える
パートナーが協力的なほど、満足いく出産につながりやすくなります。二人三脚で出産に挑めるよう、陣痛が引いているうちに何をしてほしいか伝えておくのもおすすめです。
まとめ
陣痛が5分間隔でも子宮口が開かない場合、微弱陣痛や軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)、逆子・回旋異常などが原因に考えられます。
対処法として、休息や食事を取ったり、体を温めてリラックスしたりするとよいでしょう。ストレッチやスクワットをする方法もあります。
出産までの過程は個人差があります。自分のペースを大切に、不安や疑問がある場合は遠慮せず医療スタッフに相談してください。