Article帝王切開の費用の目安は?保険適用や活用できる制度についても解説
未分類 2025.02.05

手術が必要な帝王切開になると、費用面で不安を感じる方も多いでしょう。
帝王切開は自然分娩と異なり、保険適用となる項目があります。さらに、民間の医療保険や公的制度も活用することが可能です。
この記事では、帝王切開の保険適用、費用の目安、活用できる制度について詳しく解説します。出産を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
帝王切開とは
帝王切開とは、お腹を切って赤ちゃんを出産する手術のことです。医学的な理由により必要と判断されたときに、帝王切開の適応になります。
帝王切開の種類は、おもに以下の2つです。
- 計画しておこなう「予定帝王切開」
- 急遽選択される「緊急帝王切開」
まずは、それぞれの違いを解説します。
予定帝王切開
予定帝王切開は、妊娠中に自然分娩が困難と判断される場合に、事前に計画しておこなわれる方法です。
一般的には、腰椎麻酔や硬膜下麻酔を使用し、胸から足のあたりにかけて麻酔がかかった状態にします。意識はあるため、赤ちゃんの泣き声を聞いたり、出生後すぐに顔を見たりすることが可能です。
帝王切開は、以下のケースで計画されることが多いでしょう。
- 逆子である
- 子宮筋腫など子宮の手術を受けた既往がある
- 前置胎盤、低置胎盤で子宮口が覆われている
- 双子や三つ子などの多胎妊娠である
- 前回の出産も帝王切開だった
予定帝王切開の場合、手術室に入ってから麻酔をかけ、効いてきたタイミングで手術をおこないます。手術開始後約5~10分で赤ちゃんが誕生し、全体の手術時間は約1時間半~2時間です。
緊急帝王切開
緊急帝王切開は、予期せぬトラブルで胎児、もしくは母体の命が危険にさらされている状況で選択される方法です。緊急帝王切開が選択される具体的なケースは、以下のとおりです。
- 胎児機能不全(赤ちゃんの元気がない)
- 常位胎盤早期剝離(先に胎盤が剥がれてしまっている)
- 妊娠高血圧症候群(母体の血圧が高く、体への負担が大きくなっている)
- 妊婦心肺停止(母体の心臓と呼吸が止まっている)
- 遷延分娩(お産が長引いている)
- 子宮破裂(子宮に穴が開いてしまった)など
緊急帝王切開では、すぐに麻酔をかけるために全身麻酔になる場合があります。
帝王切開の費用は保険適用されるのか
帝王切開は、保険診療分に限り公的医療保険(健康保険や国民健康保険)の適用対象であり、医療行為として必要な手術と入院費用については保険が適用されます。
また、民間の医療保険に加入していれば、給付金の対象となる可能性もあるでしょう。公的医療保険と民間の医療保険の適用について、それぞれ解説します。
保険適用されるのは保険診療のみ
帝王切開の手術は、公的医療保険(健康保険や国民健康保険)の保険適用の対象となります。保険診療の場合、自己負担割合は通常の医療費と同様の3割です。
具体的には、以下のような費用が保険適用となるでしょう。
- 手術料
- 入院基本料
- 検査費用
- 投薬費用
- 処置料
差額ベッド代や新生児管理料、出産育児指導料などは自然分娩と同様に、全額自己負担となります。
民間の医療保険が適用される場合もある
帝王切開の場合、保険会社が取り扱う入院保険や手術保険からも給付金を受け取れる場合があります。受け取れる給付金は、入院給付金や手術給付金、入院一時金などがあげられます。
給付金は使途が限定されないため、全額自己負担していた差額ベッド代などにもあてられるでしょう。
ただし、保険会社や加入している保険商品によって給付内容は異なるため、帝王切開が給付対象となるかどうかは、事前に契約内容を確認する必要があります。
帝王切開にかかる費用の目安
帝王切開にかかる費用の目安は、総額で約50万~70万円、自己負担額は診療報酬点数から算出した場合で約6~7万円です。
ただし、この自己負担額はあくまで帝王切開の手術費用のみの算定であり、さらに医療機関によっても総額の目安は変動します。一般的な目安を紹介しますので、参考にしつつ、出産予定の医療機関に確認するとよいでしょう。
総額の目安と内訳
医療機関によっても異なりますが、帝王切開にかかる費用の総額は、一般的に約50万~70万円が目安となります。その内訳は、以下のとおりです。
- 入院費
- 分娩費(手術費)
- 新生児管理保育料
- 産科医療補償制度の利用費
- 赤ちゃんの検査費用など
手術室使用料や麻酔費用、術後の投薬費用なども加算されます。個室などを使用すると、差額ベッド代も追加で必要です。
ただし、これらの費用は医療機関によって異なります。また、緊急帝王切開の場合は、深夜や休日の割増料金が発生する可能性もあります。
自己負担額の目安
帝王切開は医師により必要性を判断された医療行為であり、健康保険が適用されます。診療報酬点数から算出した医療費の3割が自己負担となり、以下のような費用が発生します。
予定帝王切開 | 緊急帝王切開 | |
医療費 | 201,400円 | 222,000円 |
自己負担額 | 60,420円 | 66,600円 |
ただし、上記は手術自体の費用のみの目安です。これに加えて全額自己負担となる項目もあるため、目安として把握しておきましょう。
帝王切開の費用に活用できる制度
日本では、帝王切開の費用に活用できる公的制度がいくつか用意されています。各制度について解説しますので、ぜひ役立ててください。
出産育児一時金
出産育児一時金は、健康保険・国民健康保険の被保険者やその被扶養者が、妊娠4カ月(85日)以上で出産したときに支給されます。支給額は以下のとおりです。
該当条件 | 支給額
(1児につき) |
産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産 | 50万円 |
・産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産
・産科医療補償制度に加入の医療機関等において妊娠週数22週未満で出産 |
48万8,000円 |
参照:全国健康保険協会|子どもが生まれたときは出産育児一時金が受けられます
産科医療補償制度とは、分娩時の何らかの理由により赤ちゃんが重度の脳性まひとなってしまった場合に、経済的負担を補償する制度で、医療機関が加入します。
出産育児一時金には、協会けんぽから医療機関に直接支払う仕組み(直接支払制度)が用意されています。そのため、多額の出産費用を用意する手間が省けるでしょう。
出産手当金
出産手当金とは、健康保険に加入している被保険者が、出産のために会社を休んで給与の支払いを受けられないといった場合に支給される制度です。
出産日(出産が予定日より遅かった場合は出産予定日)の42日前から出産日56日後までの期間に会社を休んでいた方が対象になります(多胎妊娠は98日)。1日分の支給額は、以下の計算式で算出された金額です。
(最初に出産手当金が支給された日より前12カ月間の各標準報酬月額の平均)÷ 30日 × 2/3
支給開始日前の期間が12カ月もないときには、支給開始月前の継続した各月における標準報酬月額の平均額か、標準報酬月額の平均額が30万円のうち低い額を使用して計算します。
高額療養費制度
高額療養費制度は、同一月(1日から月末まで)に発生した医療費の自己負担額が高額になったときに、一定金額を超えた分が払い戻される制度です。
帝王切開は保険適用となるため、自己負担額が限度額を超えた場合は高額療養費が支給されます。基準額は、以下のとおりです。
引用:全国健康保険協会|高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費
※2025年1月7日現在の情報です。詳細は最新情報をご確認ください。
医療機関にマイナ保険証を提出した際に「限度額情報の表示」に同意すると、窓口での1カ月分の支払いが自己負担限度額までとなります。
医療費控除
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えたときに確定申告をすると、所得税が還付されるといった制度です。出産育児一時金を受け取った場合には、その金額は控除対象外となります。
医療費控除を受けるときには、確定申告で「医療費控除の明細書」を添付する必要があり、領収書や明細書は5年間保管しなければなりません。
まとめ
帝王切開の費用は、保険診療分に限り、公的医療保険(健康保険や国民健康保険)の保険適用の対象となります。保険診療の場合、自己負担割合は通常の医療費と同様の3割です。
帝王切開にかかる費用の目安は、総額で約50万~70万円、自己負担額は診療報酬点数から算出した場合で約6~7万円です。
ただし、差額ベッド代や新生児管理料、出産育児指導料などは自然分娩と同様に全額自己負担となるため、その分が加算されます。
帝王切開の場合、医療保険会社が取り扱う入院保険や手術保険からも給付金を受け取れる場合があります。加入している民間の医療保険がある場合には確認してみるのがおすすめです。
また、公的制度もいくつか用意されているため、それぞれの特徴や対象を確認し、該当する場合には帝王切開の費用に活用するとよいでしょう。