Article妊娠初期にとるべき食ベ物は?食材選びからつわり対策まで解説
未分類 2025.01.18

妊娠初期は胎児の重要な器官が形成される大切な時期であり、適切な食べ物を摂取することが重要です。
しかし、これまでと状況が変わったことで「なにを食べれば良いのか」「控えるべき食べ物はあるのか」など、不安や疑問を抱える妊婦さんも多いでしょう。
この記事では、妊娠初期の食べ物が重要な理由から、理想的な食事バランス、積極的にとりたい栄養素、注意が必要な食べ物・飲み物まで詳しく解説します。
つわりや便秘で悩む妊婦さんへの食べ物の考え方もお伝えしますので、安心・安全な妊婦生活のために役立ててください。
妊娠初期の食べ物が重要な理由
妊娠初期の食べ物は、胎児の成長と母体の健康を左右する重要な要素となります。ただし、すべての栄養を食事から完璧に摂取する必要はなく、サプリメントの活用も含めてバランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
まずは、妊娠初期の食べ物が重要な理由を解説します。
胎児の発育への影響
妊娠初期に必要な栄養素を十分に摂取できないと、胎児の発育に影響を与える可能性があります。妊娠初期は胎児の体や内臓が盛んに形成される大切な時期であり、細胞分裂が活発におこなわれている段階です。
この時期には特に、胎児の体を作る材料として欠かせないたんぱく質の摂取が重要となります。
母体の健康維持との関係
妊娠初期の適切な食事は、胎児の成長だけでなく、母体の健康維持のためにも重要です。
たとえば、カルシウムは胎児の骨格形成に必要不可欠ですが、摂取量が不足すると、母体の骨や歯に蓄積されたカルシウムが溶け出して胎児へと送られます。
成人女性の多くは鉄分やカルシウムが不足しがちであるうえ、母体のカルシウム量は不足しやすく、食べ物などで十分量を摂取しなければ将来骨粗しょう症のリスクも出てくるでしょう。
妊娠初期の食べ物の理想的なバランス
厚生労働省と農林水産省では、1日に・なにを・どのくらい食べたらよいかが一目でわかる「食事バランスガイド」を公表しています。
これによると、20~49歳の女性における妊娠初期の身体活動レベルが「ふつう」である場合、1日分の食べ物の適量は以下のとおりです。
妊娠初期 | 1日分付加量 | 食べ物の例 |
主食 | 5~7つ | ごはん、パン、麺など |
副菜 | 5~6つ | サラダ、おひたし、煮物など |
主菜 | 3~5つ | 目玉焼き、ハンバーグ、焼き魚など |
牛乳・乳製品 | 2つ | 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど |
果物 | 2つ | りんご、みかん、柿など |
参照:厚生労働省|妊産婦のための食事バランスガイド「主食」を中心に
ポイントは、主食を中心に、副菜で十分に野菜を摂取することです。中期や後期、授乳期になると、1日分の付加量は変わります。
妊娠初期に積極的にとりたい栄養素
妊娠初期には、特に以下3つの栄養素を積極的に摂取することが推奨されています。
- 葉酸
- 鉄
- カルシウム
それぞれ解説します。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、胎児の脳の発育や神経を作る働きがあります。
二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクを下げるといわれており、厚生労働省は少なくとも妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月までには、1日400μgの葉酸を摂取すべきと公表しています。
葉酸が豊富な食べ物は、以下のとおりです。
- 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー)
- 枝豆、そら豆などの豆類
- レバー
- いちご、オレンジなどの果物
食べ物だけでは必要量を摂取できない場合は、サプリメントなども販売されています。ただし、1日1000μgを超えないよう注意しましょう。
鉄
妊娠すると胎児に血液を送る分、血液量が増えて貧血のリスクが高まるため、妊娠初期には1日9.0mgの鉄の摂取が推奨されています。
しかし、厚生労働省の「令和4年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、2022年における女性の鉄の平均摂取量は、20代で5.9mg、30~40代で6.5mgです。
普段の摂取から不足傾向にあり、貧血予防には以下のような食べ物を日々の食事に取り入れることが重要です。
- レバー(豚、鶏)
- 赤身肉
- さんま
- あさり
- ほうれん草
- 小松菜
鉄はビタミンCと一緒にとると吸収率が高まります。果物や野菜をうまく活用しましょう。
カルシウム
妊娠初期からのカルシウム摂取は、胎児の骨や歯の形成に欠かせません。1日650mgを目安に摂取しましょう。
カルシウムが多く含まれる食べ物は、以下のとおりです。
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
- 小魚(しらす、ししゃも)
- 大豆製品(豆腐、納豆)
- 緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜)
カルシウムの吸収を助けるビタミンDも一緒にとると、効率的に体内へ取り込めます。ビタミンDは、鮭やサンマ、しいたけなどに多く含まれています。
妊娠初期に注意が必要な食べ物・飲み物
妊娠初期には、以下のように注意が必要な食べ物・飲み物もあります。
- 生もの
- 過剰なビタミンA
- カフェインを含む飲み物
- お酒
それぞれ解説します。
生もの
生ものは細菌による食中毒のリスクが高いため、妊娠初期は特に注意が必要です。母体だけでなく、胎児にも影響を及ぼす可能性があります。
以下の食材は、避けておくとよいでしょう。
- 加熱殺菌していないナチュラルチーズ
- 生ハム
- スモークサーモンなど
また、生や加熱不足の肉料理なども、食中毒や感染症のリスクが高くなります。中心部までしっかり加熱してから食べることが重要です。
過剰なビタミンA
妊娠初期におけるビタミンAの過剰摂取は、胎児の先天異常のリスクを高める可能性があることがわかっています。ただし、ビタミンAは上皮細胞や器官の成長、分化に関与するため、妊婦さんにとって重要な栄養素でもあります。
上限量は、1日3,000μgREです。過剰なサプリメント補給やビタミンAを多く含むレバーやうなぎなどをとりすぎないよう注意しましょう。
カフェインを含む飲み物
妊婦さんのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起されています。
たとえば、世界保健機関(WHO)では、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、妊婦さんに対し、コーヒーを1日3~4杯までにするよう呼びかけています。
また、英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦のカフェイン過剰摂取は出生時に赤ちゃんが低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊婦さんの1日当たりのカフェイン摂取量をWHOより厳しい200mgに制限するよう求めました。
これは、マグカップで2杯程度の量です。
お酒
妊娠中のアルコール摂取は、胎児性アルコール症候群(FAS)のリスクがあるため、控えなければなりません。
胎盤を通じてアルコールが胎児の血液に入ると、生まれてくる赤ちゃんに体重の減少や脳の障害など、さまざまな悪影響が出てくる可能性があります。
とはいえ、妊娠初期は妊娠に気づかずお酒を飲んでしまったといったケースもあるでしょう。妊娠初期に大量飲酒したとしても、その後禁酒することで中枢神経障害をおこさなかった例が報告されています。
妊娠に気づいた時点でお酒を控えることが重要です。
状況別|妊娠初期の食べ物の考え方
妊娠初期には、つわりや便秘など、さまざまな症状が起こるでしょう。このような状況における食べ物の考え方について解説します。
つわりがひどい場合
つわりで食欲が減退しているときは、食べやすい食べ物を少量・頻回に口にしましょう。
なにも食べない・飲まない状況が続くと、脱水になり吐き気や頭痛を悪化させる可能性があります。ゼリーやスープ、水分を多く含んだ果物を試し、難しそうであれば経口補水液などを飲むのもおすすめです。
食べ物のにおいがつらいときは、おにぎりなどを冷やしたり、ゼリータイプの飲料を飲んだりする方法も効果的です。つわりのときは胃の働きが弱くなっている状態であるため、なるべく消化の良い食べ物をとるとよいでしょう。
食べていないと気持ち悪くなる食べづわりの場合は、少量を小分けにしてとる方法もあります。
水分さえ受け付けない場合は、早めにかかりつけ医に相談してください。重症の場合には、点滴による水分補給などをおこないます。
便秘がつらい場合
妊娠初期はホルモンの影響で腸管の動きが弱くなっており、便秘になりやすい状態です。便秘をやわらげる食事の工夫として、以下のポイントを意識してください。
- 十分に水分をとる
- ヨーグルトなど腸内の善玉菌を増やす食べ物を摂取する
- 食物繊維の多い食べ物を摂取する
どうしても便秘が改善しない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。状況に応じて、妊婦さんでも飲める下剤の処方を検討します。
妊娠初期の食べ物については栄養相談も可能
医療機関によっては、栄養相談ができる場合があります。つわりや貧血のほか、体重管理や妊娠高血圧症候群などに関する食事についても相談可能です。
栄養相談の実施については医療機関によって異なるため、妊娠初期でも相談できるかはかかりつけ医に確認が必要です。あわせて、妊婦健診と同じ日に受けられるか、別日になるのかも確認するとよいでしょう。
まとめ
妊娠初期の食べ物は、胎児の成長と母体の健康を左右する重要な要素となります。食事バランスを考えながら、葉酸・鉄・カルシウムの栄養素を積極的にとるよう心がけることが大切です。
一方で、生ものや過剰なビタミンA、カフェインを含む飲み物、お酒の摂取には注意が必要です。つわりや便秘で悩む場合には、それぞれに適した食べ物・飲み物を試してみてください。
不安な場合には、一人で抱え込まずに医師や助産師に相談すると、正しい知識を得られ、安心して妊娠生活を過ごせるでしょう。